うとうと、ふわふわ。
心地良い感覚でちょうど眠りに落ちようとしたそのとき。
フワッとした突然の落下感を覚え、体がビクッと震えることはありませんか? これはあなただけに起こることではありません。
「ジャーキング」という、誰にでも起こり得る不随意運動のひとつなんです。
学校なんかで居眠りしそうになると、こうなったりするよね。ガタンッ! ってなって、不意にクラス中の視線を集めてしまうから恥ずかしかったなあ……。
✔ 不随意運動について
✔ ジャーキングの正体
✔ ジャーキングが起きやすい状況/状態
✔ 考え得る予防策の例
体の不随意運動とは?
冒頭で出た「不随意運動」とは、自分の意思とは関係なく起こるさまざまな体の運動のことです。ですから、入眠時に起こりやすい体の痙攣(=ジャーキング)もまさにこの不随意運動のひとつということになります。
金縛りといいジャーキングといい、睡眠時に起こる現象はさまざまです。
人間以外にも起こる「ジャーキング」の正体
入眠時の妙な落下感から体が痙攣してしまうこのジャーキングは、人口の約70%ほどもの人が経験しているといわれています。ジャーキングのほか、「入眠ぴくつき」となんともキャッチーな名称で呼ばれることも。
実は原因解明には至っていない
ジャーキング、あるいは入眠ぴくつきの原因ですが、完全な解明には至っていないというのが現時点での科学です。
ただし、まったく解明が進んでいないというわけではありません。おもには、脳科学と進化学に基づいた2つの説があります。
まずは、脳科学の観点から。
睡眠時の人間の体は一般的に緩んだ状態です。つまり、変な姿勢で寝ていると非常に不安定な状態にあるということになりますよね。そのため、脳が「体が倒れている! 立て直さなきゃ!」と勘違いするわけです。
それが原因で体だけが反応して、ビクッ! と痙攣するんですね。
次いで、進化学の観点から。
こちらは脳科学に対して、あまり一般的でない(有力でない)とされている考えですが、人間の先祖(霊長類)はかつて、樹上生活をしていました。ゆえに、体が弛緩する入眠時に木の上から落ちるリスクがあったんです。
それを避けるために、素早く目を覚まして起き上がる必要があった――と、この習慣の名残がジャーキングであると考える人も少なからずいます。
痙攣カ所はさまざま
ジャーキングは実際に経験してみると、体全体が痙攣しているようにも感じられます。でも実は、脚であったり腕であったり頭であったりと場所はさまざまです。
加えて、1回で済む場合もあれば、不規則に続けて痙攣現象が起こる場合もあります。
ジャーキングを経験するのは人間だけではない
また、意外かもしれませんが、ジャーキングを経験するのは人間だけではありません。
犬や猫などの動物の体にも起こり得る現象だということです。音に反応して起こることも多いといわれているので、家族でもあるペットが寝入りそうになっているときは、そっとしておいてあげましょうね。
「ジャーキング」が起きる状況は?
ジャーキングが起きる原因が完全に解明されたわけでないとはいえ、発生しやすくなる状況や状態はあります。頻繁に経験するという人は、まず以下のポイントに当てはまっていないか考えてみてください。
✔ 睡眠姿勢が快適でない
✔ 精神的ストレスが強い状態にある
✔ 過度な疲れがたまっている
これらを踏まえたうえで、予防策をいくつか紹介します。
人前でジャーキングが起きたらちょっと恥ずかしいし、なにより鬱陶しいよね!
「ジャーキング」を防ぐためにはどうしたらいいの?
多くの人が経験するジャーキングですから、あまり気にする必要はないのかもしれません。とはいえ、入眠時に訪れる不意打ちの落下感はあまり気持ち良いものではありませんよね。防げるなら、それに越したことはありません。
生活リズムを整える
第一に、快適な睡眠を取るようにすること(=生活リズムを整えること)が挙げられます。
単に早く寝て早く起きれば良いというものでなく、気持ちの良い朝を迎えるためには質の高い睡眠を取ることが大事です。
なかなか寝付けなくて困っているという人は、アロマなどを使って良い香りに包まれながら入眠するのもおすすめ。アロマ初心者さんでも、火を使わないディフューザーなら安全安心! おすすめのディフューザーは下記公式サイトから。インテリアとしても最適です。
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適度にストレスを発散する
また、過剰なストレスもジャーキングが起きる一因になりますので、適度にストレスを発散することも大事です。
もちろん、スポーツや没頭できる趣味があれば一番ですが、中にはなにをしていいかわからないという人もいるでしょう。そんなときは、ただ声を出すというだけでだいぶストレス発散になります。
嘘だと思いますか? 元演劇部のわたしがいいます。声を出すとけっこうスッキリします。やってみる価値はあり!
いまや家でもカラオケを楽しめる時代。飲み会の2次会で突然歌を披露しなければならなくなったときの練習にもなるので、ボイストレーニングがてら試してみてはいかがでしょうか? 「UTAET」なら消音機能付き。大声を出しても騒音トラブルになることはありません。
カフェインをひかえる
コーヒーや紅茶、緑茶に入っているカフェインには、交感神経を優位にする働きがあります。そうすると脳が興奮状態になり、なかなか寝付けない、あるいは眠りが浅くなるということが起きるんですね。
そんなこともあって、寝る前のカフェイン摂取はひかえるようにしたほうがいいでしょう。
どうしても入眠前にコーヒーや紅茶を飲まないと落ち着かないという人には、デカフェ(ノンカフェイン)のものをおすすめします。
程度や頻度が気になるようなら病院へ!
ここまで、ジャーキングの正体とその予防策について簡単に解説してきましたが、これはあくまでまれに起きる痙攣現象の話。
もし0.5~10秒ほども痙攣が続く場合や、目安を50~100回/時間として頻繁に起きる場合には、周期性四肢運動障害という症状がかかわっている可能性がありますので、病院にかかりましょう。
※本記事の情報は2020年7月時点のものです。
参考文献:
– FIGARO.jp「眠りにつく時、落下するように感じるのはなぜ?」
– exciteニュース「【生体の豆知識】寝ている途中にいきなり落下する感覚に 陥り、体がビクッとなる あの現象は一体なんなの!?」
– logmiBiz「眠る時に「ビクッ」とするのはなぜ?」