ジェットコースターやバンジージャンプを軽く飛び超えて、さらなる高みを求めたいアウトドアかつクレイジーな人が楽しんでいるエクストリームなアクティビティー「スカイダイビング」。
でも中には、「怖い、けど人生に一度は経験してみたい!」とバケットリストに入れている人は多いのではないでしょうか?
今回は、高所恐怖症の筆者(@MochaConnext)が成り行きでスカイダイビングに挑戦することになった実体験をもとに、高い場所が苦手だったり恐怖心があったりしても楽しめるのか? ということをお話していきます。
スカイダイビングのはじまり

冷静に考えてみれば、空から飛び降りるアクティビティーの発案者ってかなりヒャッホー(訳:クレイジー)な人ですよね…。
現在はアウトドアアクティビティーのひとつとして広く親しまれているスカイダイビングですが、もともとはパラシュート・スポーツという競技、そしてその前は軍需品として扱われていました。
現在でも、イタリアなどの国ではパラシュート部隊があったりするほどです。
そんなスカイダイビングがスポーツとしての歴史を歩み出してからは、さまざまなスタイルが生み出されています。
種目は下記の通り:
- アキュレシー・ジャンプ
- フォーメーション・スカイダイビング
- フリースタイル
- スカイサーフ
- フリーフライ
- キャノピー・フォーメーション
- キャノピー・パイロッティング
とはいっても、観光程度に楽しみたいという人にはどれも縁がない競技種目ですね。
1回や2回ぐらいの挑戦でいいという人は、インストラクターがピタリと背中に張り付く形の「タンデム・ジャンプ」を体験することになります。
不安解消Q&A!【心構え】
「人生で一度は経験してみたいけど、肝心の第一歩が踏み出せない!」
「勇気を振り絞って申し込んだはいいけど、緊張で眠れない…」
そんな人の不安解消に役立つ筆者の体験談をQ&A形式で公開します。
Q. 空から飛び降りるってどんな感じ?
スカイダイビングに興味があるぐらいですから、まずなんといってもここが知りたいところでしょう。
プランにもよりますが(※1)、筆者がそうしたように、上空3,500メートル強(12,000フィート)から飛び降りると仮定します。その場合の自由降下(フリーフォール)時間は約40秒前後。
最高速度は時速200キロにまで到達すると言われています。
もうこうなると、実際のところ「わけがわかんない!」という状態に近いもの。きっとアドレナリン大放出の興奮状態になることでしょう。
とはいえ、落ちている感覚といえば最初の5~10秒ほどで、空気抵抗こそあるものの、あとは空を飛んでいる感覚です。
(※1:海外では9,000ft、12,000ft、15,000ftなど、飛ぶ高さを選べる場合がほとんど)
Q. 高所恐怖症だけど大丈夫?
正直に言います。
いや、知らんがな。
少し冷たい言いかたになってしまいましたが、100パーセント大丈夫だとも言えないし、絶対に無理かというとそうでもない。なぜかというと、筆者自身、極度の高所恐怖症だからです。
どれぐらい高い場所が苦手なのかというと、階段で2階に上がろうとするともう足が震えるほど。でも飛行機やジェットコースターの類はまったく平気なので、自分の足で高い場所に立つというのが苦手なちょっと特殊なタイプのようです。
そんな筆者ではありますが、スカイダイビングは大好きです!
Q. 高さはどれを選んだらいいの?
もし高さ別にプランが分けられている場合は、10,000フィート以上を選ぶことをオススメします。それ以下だと、それだけフリーフォールの時間も短くなるので、スカイダイビングならではの醍醐味を味わうのは難しいかもしれません。
ちなみに筆者は2回、別の国でスカイダイビングをしたのですが、どちらのインストラクターも10,000フィート以上でのダイブをオススメしていました。
なお、高度別に料金も違ってくるので予算とも要相談ですね。
Q. 一回目は怖かった?
もちろんです。
怖がらせるようで申し訳ないですが、正直、最初に挑戦したときは飛んだ直後の5~10秒ほどの記憶がきれいさっぱり飛んでいます。着陸後に動画で確認したら、空中でグルリと回転していました。
でも一度安定すると雲の中を突き抜ける感覚や空気の抵抗が非常に気持ち良く、地面に降り立つころには「もう一回やりたい!」という気持ちでいっぱいに。
ただ、高所恐怖症でもなんでもない友人は「もう二度とやりたくない…」とゲッソリしていたので、やはり人によるところが大きいのかもしれませんね。
Q. 写真や動画のオプションは付けるべき?
オプションを付けると1万円ほど料金が上乗せされるのが通常なので、そこはそれぞれの判断に委ねたいところですが、個人的には付けておくことをオススメします。
なぜなら、先述したとおり、空中飛行をしている最中の記憶が失われる可能性があるから(※注:冗談ではありません)。
せっかく勇気を振り絞って飛び降りたのに、あとになってなにも思い返せないのではもったいないですよね。「写真と動画だけで1万円!?」と思う人もいるかもしれませんが、少々割高でもそれだけの価値はあると考えます。
Q. どんな服装がいいの?
上下ともに私服でOKです(ただし、多少汚れてもいいような洋服がオススメ)。また、靴は必ず運動靴やスニーカーなどの風圧により吹き飛ばないようなものを選びましょう。
特に女性、もしくはそんなファッションが好きな人。
ヒールやミュールなどはオシャレかもしれませんが、言語道断! あっという間に空の彼方に飛んでいってしまうどころか、超危険です。
Q. 当日に向かっての心構えは?
率直に言うと、そんなものはありません。
現に、第一回目のスカイダイビングでは「死んだらもう日本に帰れないんだ…」「遺書でも書いておこうかな…」「もっとやりたいことがあったのに」と謎に清水の舞台から飛び降りる気持ちになったものです。
が、まったく意味のないことでした。
安全性云々の前に、インストラクターの人たちは飛ぶことが仕事。毎日何回、何十回と繰り返し飛び降りています。つまりそれはほとんど流れ作業ということです。
なので、飛び降りる地点に到着したときには待ったナシというのが現実。「待って待って待って!」と止める間もなく、後ろから押し出されてピョーンというなんとも呆気ないものです。
一度申し込んだらあとはもう覚悟を決めるのみです。
Q. 料金の相場は?
ニュージーランドやオーストラリアだと、オプションなしでだいたい300ドル(約3万円弱)~500ドル(約4.5万円ほど)。これに関しては日本でもそう変わらず、3~5万円ほどとのこと。
ここにオプションなどを付け足していくとなると、もう少し予算は多めに考えておいたほうが良いでしょう。
エクストリーム・アクティビティーが有名なニュージーランドでは、店舗によってはスカイダイビングとバンジージャンプのコンボプランなどのお得感満載のプランがあったりしますので、要チェックです。
Q. 事故は起きたりしない?
パラシュートひとつで人間2人が空を飛ぶと考えると、なにかしらの事故が起きても不思議ではないような気がしてしまいますよね。
事実、スカイダイビング時における死亡事故は約10万回に一度の割合で起きるとの統計が出ています。
多いと思いますか? それとも、思っていたほどではないと感じたでしょうか?
でも実は、これを現実と照らし合わせてみると、スキューバダイビングやアメフトなどの他競技、あるいは自動車や飛行機の事故よりも確率的には低いぐらいなのです(!)。
それで安心しろというのも変な話ですが、安全性という観点においてはそう低くなさそうですね。万が一事故が起きた場合はインストラクターともども亡くなるケースが多いので、より危険だと認識してしまうのかもしれません。
スカイダイビング当日の流れ
アクティビティーに申し込んでから当日までに日数がある場合は、じわじわと未知の恐怖が迫ってきます。気分はまさに死刑囚。
ですが、いざ当日になってみると実際に飛んでいる時間(5~10分ほど)を含め、拘束時間はたったの2時間ほどです。その流れを簡単に説明します。
※あくまでも体験談です。
体重を量る
到着するとまず、体重を量ることになります。一定の体重を超えてしまうと、オーバーチャージが取られることも考えられますので要注意。
もしくは、身体のサイズによっては断られるケースなどもあります。
書面にサインをする
いよいよ、飛び立つ時間が近付いてきました。
が、その前に我々はある書類にサインをしなければなりません。それは「もし上空で万が一のことがあっても、本人の自己責任ですよ」というもの。
ここまでくるといよいよ実感が湧いてくることでしょう。
なお、日本だと大抵の場合、未成年の参加者は保護者の同意が必要になります。その書類はオンラインでダウンロードできることがほとんどですので、気になるショップがあればまずは調べてみるのが大事です。
チュートリアルを受ける
タンデム・ジャンプでインストラクターが指示を出してくれるといっても、フリーフォールの間なんかは特に、ものすごい風圧で相手の声など聞こえるわけもありません。
そのため、まずはビデオや地上実践などで、例えばスカイダイビング関連の情報やその危険性、安全性、はたまた飛び方などについて学びます。
なお、筆者が海外で飛んだときは2回中2回とも、飛び方についての指導は飛行機に乗ったあとでした。2回目はまだしも1回目は緊張でそれどころではなかったのを覚えています。
ここで離陸から着陸までの正しい姿勢を覚えておかないと怪我につながることもありますので、よく聞いておくようにしましょう。
着替える
前項と着替えは当日の込み具合によって多少前後することがありますが、ここまでくればもはや後戻り術はなしといったところでしょうか。男らしく(そして女らしく!)覚悟を決めてください。
洋服の上からスカイダイビング専用のユニフォームを着用し、ハーネスを装着。これは店舗や国によるのかもしれませんが、ここで多少ハーネスが緩く感じたとしても問題ありません。
飛行機が上空3,500~3,800メートルに到着するためには、数分ほどかかります。地上で緩く感じていたとしても、飛び降りる直前にしっかり締め直してくれますので安心してくださいね。
※それでもなお緩く感じる場合は、命にかかわる問題ですのでちゃんと訴えかけましょう!
3、2、1、ジャンプ!
いよいよジャンプの時がやってきました。
この時になるともうインストラクターとがっちり結ばれているので、待ったなしで飛び降りることになります。怖いからといって身体を丸めるように折り曲げると重心が安定せず、しばらくグルグルと回り続けることになるので要注意。
正しい姿勢についてはチュートリアルのときに教えてくれるはずです。インストラクターの指示に従いましょう。
日本で体験できる場所
さて、ここまでくれば多少の興味は湧いてきたでしょうか?
スカイダイビングといえばニュージーランドやハワイなど、アウトドアアクティビティーが盛んで自然豊富な国で盛んなイメージかもしれませんが、日本でも体験することができるんです。
以下、もしどこかに旅行する機会があれば、ぜひ挑戦してみることをオススメします!
海外のインストラクターはけっこう「YO! YO! 元気かーい? あれ、元気がないぞ? ハッハッハ、大丈夫さ! なんていったって僕は今日もう7回も飛んでるからね!」というような不安を煽る謎のハイテンションで現れることが多いのですが、日本だとその点に関しては問題ないでしょう。
フリーフォールの爽快感は忘れがたし!
12,000フィート(約3,500メートル)から飛び降りた場合のフリーフォールは約40秒。意外と長くも感じられますが、最初の5~10秒ほどでジェットコースターのような内臓の浮く浮遊感に慣れてしまえば、あとはまるで鳥にでもなったかのような気分が味わえます。
まさに忘れられない爽快感!
日本で一度試してみて気に入ったなら、次は海外で挑戦してみるのもオススメです。
なぜなら、もっと高いところから飛べるプランがある国もあるから。例えばアメリカには、上空30,000フィート(約9,000メートル)をドロップポイントとするようなコースがあったりするんです。世界は広いですね!

そしてクレイジー!
コメント