世界を騒がせている「新型コロナウイルス」の感染者数が増加し続け、「第2派が来ているのでは?」と話題に上ることも多い今日このごろ。
疫病退散を願い、妖怪「アマビエ」がSNSをはじめとするさまざまなメディアをにぎわせています。
鳥と人魚を掛け合わせたかのようなこのアマビエ。一体何者なんでしょうか?
✔ アマビエの正体
✔ アマビエが持つ効力
✔ アマビエチャレンジとは
✔ 疫病の予言をしてくれる他の妖怪
✔ 2020年のお中元にはアマビエ商品?
✔ 睡眠の質を高めて免疫力アップ
アマビエとは?
記録によると、アマビエが現れたのは江戸時代。
今回の「新型コロナウイルス」の蔓延により突如として浮上したアマビエですが、実はそれまではまさに“知る人ぞ知る”妖怪だったんですね。それというのも、アマビエのことが記録されているのは、京都大学附属図書館が所蔵する一枚の摺物のみだから。
江戸時代の弘化3年に肥後国(現在の熊本県)に海中に住むアマビエが現れ、「病気が流行するので自分の姿を写して人に見せるように」と告げて去って行きました。
なお、漫画家の水木しげるさんの作品「ゲゲゲの鬼太郎(5作目)」のアニメ版でも、アマビエが登場する回があります。
アマビエが持つ力
「早く疫病(新型コロナウイルス)が収まりますように」――。
きっと、江戸時代の人たちと現代の人たちの願いが“アマビエ”のストーリーにマッチしたんでしょうね。今までは妖怪好きなら知っている程度の認知度だったアマビエも、いまや日本では誰もが知る妖怪となりました。
先述の話からもわかるとおり、アマビエにあるのは疫病を予言し、退散する力。
そんなことから、数々のメディアでも取り上げられるようになりました。
神様とかじゃなくて妖怪っていうのが面白いところよね!
SNSで流行ったアマビエチャレンジとは?
いままでは注目をあまり浴びていなかったアマビエがなぜ急に取り上げられるようになったのか、気になるところですよね。そもそもアマビエチャレンジとはなんなのか。どこからはじまったのか。それにはこんな成り行きがあったようです。
はじまりは掛け軸専門店
はじまりは、とある妖怪掛け軸専門店。
新型コロナウイルスで世の中がピリピリしはじめた2月ごろ、こちらの妖怪掛け軸専門店がSNS上にアマビエのイラストを投稿したといいます。
これが日本人にアマビエの存在が広く知れわたるようになったきっかけです。
「早く新型コロナウイルスが収まり、平和な日常が訪れますように」
そんな切実な願いを込めて、SNSやメディアで活躍するクリエイターたちや一般の人たちがアマビエに関する“何か”を作って「アマビエチャレンジ」のハッシュタグとともに投稿するようになりました。
絵だけではない
先述しましたが、アマビエに関する“何か”を世の中に公開するのが「アマビエチャレンジ」。
この“何か”はイラストだけでなく、たとえばぬいぐるみであったり、料理であったりとさまざまです。個人はもちろん、アマビエ商品を発売する企業も出てきましたね。
実際にアマビエを描いてみた
そんなわけで、筆者(@MochaConnext)もそれにならってアマビエをこそこそと描いてみました。かなり稚拙なものとなってしまいましたが、あしからず。こういうのは気持ちです、気持ち。
下手……下手なんだけど……もしや自分のアイコンよりうまく描けたのでは!?(笑)
これを描くのに1時間弱。
やはり文字を書くほうが自分には向いているのだと再認識です。このようにイラストだけでなく、ぬいぐるみでも料理でも、アクセサリーでも水墨画でも、アマビエの形であればなんでもいいというのがうれしいですよね。
疫病を予言する他の妖怪を紹介
新型コロナウイルスにあたってはアマビエの認知度が急上昇してしまいましたが、疫病の予言をしてくれる妖怪は他にもいます。
神社姫
「神社姫」と聞くと、いかにも美人で高貴なお姫様という感じがしますよね。
でも、念押しのためにもう一度いいます。
「神社姫」も妖怪の一種です。ただし、疫病を予言して退散してくれるところはアマビエと同じ。
しかも、江戸時代に肥前(現在の佐賀県/長崎県)の海に現れて「病が流行したら自分の姿を写して人に見せなさい」といったというのだから、登場の仕方もよく似ています。
なお、見た目は頭に角が2本生えた人魚ということです。
件
「件」は「くだん」と読みます。
中には「クダベ」と表記されたものもありますが、これは「くだん」の写し間違いだとされています。
件は、顔は人間で体が牛の妖怪。まるでケンタウルスのようですね。
現在の富山県に現れ、「自分の姿を描いた絵を見る者は、疫病から逃れることができる」といったそう。ストーリーとしてはアマビエと神社姫と似たようなものです。
みんないうことはだいたい同じ!
アマビコ
アマビエの情報が得られるのは、京都大学附属図書館が所蔵する一枚の摺物のみだということは先述したとおり。でも、同じく疫病にご利益があるという「アマビコ」という妖怪の記述は他の史料の中で散見されるんですね。
漢字にすると「海彦」「天彦」「尼彦」と表記されます。
3本足の猿の姿をしているといわれていますが、このアマビコの「コ」が「エ」と読み間違えられて、伝言ゲームのように「アマビエ」と呼ばれるようになったという説が一般的です。
つまり「アマビコ」=「アマビエ」。
その容姿も最初のうちこそ猿だったものの、描き写されるたびに徐々にいまのアマビエの姿に近付いていってしまったのでしょう。
2020年のお中元にはアマビエ?
夏になると、「今年のお中元はどうしようかな……」と悩みはじめる人も少なくないはず。2020年は多くの企業がアマビエ商品を開発・販売しています。
大変な時期だからこそ明るく! 2020年のお中元におすすめのギフトセットを紹介します。
① 厄除けに効果あり!? 静岡産新茶で免疫力を高めよう
② アマビエキーホルダー付き! ちょっと大人な日本酒飲み比べセット
③ クラフトビール好きにはたまらない!
睡眠の質を上げて免疫力アップ!
アマビエや神社姫、件、アマビコといった妖怪に頼るのもいいですが、自分でできることももちろんありますよね。生活リズムを整えれば、多少の疲れには負けない体づくりをすることができます。
生活リズムを整えるには、まず睡眠の質を高めるところから。
この機会ですから、「いつもなんか疲れているな」という人も、しっかり寝て、適度な運動をして、自粛するときには自粛して、自分の体を大事にしてあげましょう。
※本記事の情報は2020年7月時点のものです。
参考文献:
– カドブン「【怪と幽 号外】 厄災を予言!? 疫病を退散!? 話題の「アマビエ」とは? その正体を妖怪博士が解説する」
– オマツリジャパン「アマビエ祭りで疫病退散!病魔調伏の力をもつと言われる妖怪5選」
– 朝日新聞DIGITAL「掛け軸店から広まったアマビエ 言い間違いで生まれた?」
– 佐賀LiVE「<新型コロナ>妖怪の絵に終息祈り 佐賀ゆかり「神社姫」投稿続々」