死ぬまでに一度はスカイダイビングに挑戦してみたいという人は多いのではないでしょうか。
ただ、そう考えていたところで、いざとなるとなかなか勇気が出ない……。
いつか、いつかと思っているうちに、いつの間にか本当にやりたいことだったのかわからなくなってきたなんていうこともあるでしょう。
でも、せっかく一度は「やってみたい」と思ったのですから、そのときの気持ちを大事にしてあげませんか? 本記事では、高所恐怖症の筆者がスカイダイビングに挑戦した実体験をもとに、実際のところどうだったのかということをお話していきます。
- スカイダイビングとはなにか
- 高所恐怖症である筆者による正直な感想・意見
- スカイダイビングで「人生が変わる」は本当か
本記事の情報は2023年10月時点のものです。最新の情報はご自身でご確認ください。
スカイダイビングとは
日本で放送されているバラエティー番組などでは、罰ゲームになることもあるスカイダイビング。
スカイダイビングとは、みなさんご存じの通り、上空から飛び降りるアクティビティーのことです。高所恐怖症の人間からしたら、頭がおかしい人たちによる頭がおかしいアトラクションだとしか思えないですね。
ですが、それでも体験してみたくなってしまうのが人の性。怖いもの見たさみたいなところもあるでしょうか。
飛び降りる高さはプランによってそれぞれで、高度1,000~4,000mほどの場所から降下することになります。
【実体験】高所恐怖症がスカイダイビングをした感想
私がスカイダイビングをしたことがあるのは先述しましたが、実は、2回経験しています。ですが、実際はかなりの高所恐怖症です。ここでは正直な感想を述べていきますね!
高いところが怖いのにスカイダイビングに挑戦した理由
まず、高所恐怖症なのにスカイダイビングをしたと話すと「実は高所恐怖症じゃないんじゃない?」と言われることがほとんど。
その気持ち、わかります。
私も、もし自分がスカイダイビングを体験しないままに知り合いがそのようなことを言っていたら、同じようなことを思うでしょう。
でも、私は確実に高所恐怖症です。
どれほどかというと、アパートやマンションなどでも2階ぐらいの高さですでに足が震えるレベル。
なら、なぜスカイダイビングなどしようと思ったのかという話になりますよね。
実は、私はオーストラリアに住んでいたことがあるのですが、せっかく来たのだから、日本だとまず考えられなかったことをしてみようと考えました。私にとってそれはスカイダイビングだった。自分にとって特殊な環境でなければ、きっとなにか新しいことに挑戦しようなどと思えませんから。
ただ、同時に、極度の高所恐怖症であるのは自覚していたので、興味があると言いつつも結局はやらないかもしれないな、とも思っていました。
そんなとき、たまたま日本人の友人に「実は……」と打ち明けてみたところ、その友人が「自分もやってみたいと思っていた。今から予約しに行こう」と言い出したのです。ギョッとしましたが、今さら冗談だったなどと言えるはずもなく、その足で予約をしに行ったというのが流れです。
きっと自分ひとりなら到底勇気が出なかったことでしょう。
当日までは死ぬほど怖かった
予約をしてからスカイダイビングの日までは2週間ほどありました。
その間に、何度も「やっぱりやめようかな……」「今からでも、友達に無理だって言ったほうがいいんじゃない?」などと考えました。
悪い想像が働きすぎて「遺書とか書いたほうが……いい?」なんていうことも。
興味はあるけど怖い、怖いけど興味はある、を繰り返しながら、2週間を過ごしていた感じですね。結局、気が付いたら当日になっていました。
当日の心境:もうどうにでもなれ……
私が一番恐怖を感じていたのは、もしかしたら2週間の待機期間だったのではないかなと思います。
当日は、それこそ「もうどうにでもなれ!」「煮るなり焼くなり好きにしてくれ……」という心境でした。不思議ですね。
一種の諦めのようなものでしょうか。
興味津々という体を取っていたために(強がり)友人に怖いと弱音を吐くこともできず「ドキドキする!」なんて引きつった半笑いで臨みました。我ながらいろいろと情けないです。
成す術もなく飛び降りた(強制)
実際に飛び降りる地点までは小型の航空機で昇っていくのですが、ものの数分で到着してしまいます。観光アトラクションとして行うスカイダイビングはタンデム(2人乗り)が一般的ですから、後ろにはしっかりインストラクターがついてくれました。
日本だとまた違った対応になるのかもしれませんが、私が初めて体験したのがオーストラリアだったこともあって、インストラクターはなんだか陽気でジョークばかり言うお兄ちゃん。
「緊張してるんだ」と言っても「ハハハ、大丈夫さ!」と笑い飛ばされるだけ。
その日だけで何回飛んだのか尋ねてみたら、私で7回目だと言っていたので、ほとんど流れ作業のようなものだったのかもしれません。
なので、どれだけ怖かろうが緊張していようが、上空に到着したら否応なしに飛ばされます(当然)。
カウントダウンはしてくれました。でも、めちゃくちゃ早い「3、2、1」だった。「えっ!?」と思っているうちに、空中にいました。
飛び降りるときはまず航空機の縁に座り、インストラクターに指示された通り胸元で腕を組むよう指示されるのですが、この「縁に座る」のはインストラクター。
なので、その前にいる私はほとんどすでに外に体を投げ出した状態になっていました。そこでカウントダウンが始まるので、どれだけ引き返したいと思ってももはや成す術なし。
しかも、当日は友人含め4人で飛ぶことになっていて、私はそのうちの3番目だったので、前2人が飛び降りるのを目の当たりにしていたのも恐怖を感じた原因の一端になりましたね。
高所への恐怖ではなかった
確かに、航空機に乗って上空へ行くのは途轍もない恐怖だったのですが、今思い返してみると、高所への恐怖ではなかったような気がします。
いつも感じる「高いから怖い」「高い場所が怖い」ではなく、飛び降りるという行為そのものに恐怖を感じている感じ。
実際、人間がもっとも恐怖を感じる高さは約11mなんだそうですよ。
それでいうと、スカイダイビングほどの高さにもなるとあまりに非現実的すぎて、いまいちなにがなんだかよくわかっていなかったのかもしれませんね。
フリーフォール最初の5秒間に覚えた胃の浮く感じ
スカイダイビングの醍醐味のひとつといえば、フリーフォール(自由落下)です。
フリーフォールとは、文字通り「自由に落下すること(パラシュートを開かずに落ちていくこと)」ですが、この時間が45秒前後ありました。
最初はフワッとします。
ジェットコースターに乗ったとき、胃の浮く感じがしますよね。フリーフォール開始5秒ほどはまさにあの感覚がしました。
実は、私は高所恐怖症と言いつつも、ジェットコースターは平気なタイプです。ひとくちに高所恐怖症といっても、なにが駄目でなにが大丈夫かは人によるみたいですね。
そんなこともあって、フリーフォール中に抱いた胃の浮く感覚はほとんど気になりませんでした。
ただ、一緒にスカイダイビングに挑戦した友人は「高所恐怖症ではないけれどジェットコースターは苦手」と言う人で、彼女は「もう二度とスカイダイビングはしない」というほどの恐怖を覚えたようです。
ザ・爽快感!落ちるというより飛ぶ感覚
最初こそ胃の浮く感覚がしたものの、あとの30~40秒ほどは落下していくだけ。
実際には落ちているんですが、ここは落ちるというより飛ぶという感覚のほうが近かったような気がします。
風圧も感じるし、ものすごいスピード(最大時速約200km)で落下しているのはわかるんですが、空だとあまり景色が変わらないからか、地面が急速に迫ってくるわけではないからか、思いのほか周りを見る余裕がありました。
とにかく気持ちよかった。
死地に赴くような気持ちで挑んだので、これは自分でもかなり意外でした。
みんなレゴみたいで可愛い(酔い)
フリーフォールが終わると、パラシュートを開いてゆっくり下降していくことになります。
しかし、盲点だった。
真っ直ぐストンと降りるのではなく、ゆっくり回ったり、アトラクションの一環としてクルリと旋回してくれたりしたのですが、その際「人がゴミのようだ……!」などと思いながらと近づいてくる地面をジッと見つめていたばかりに、完全に酔ってしまったのです。
三半規管が弱いのを忘れていました。
ちなみに、2回目に挑戦したときはここで学んだことを生かし、遠くを見つめ続けることで酔いを回避しました。
でも、はるか上空から見ると車も人もレゴみたいで可愛かった。
大興奮!2回目のチャレンジを決意
アドレナリンが放出されていたというのもあるでしょう。
終わってみると「すんごかった……!」と大興奮。
オーストラリアにいる間は無理でしょうが、いつかまた体験しようと決意しました。実際に2回目を経験したのはその数年後。
別の友人が挑戦したいと言うので、それに付き合う形でチャレンジしました。
自然の前に人は無力だが生きている
飛び降りた瞬間から(なんなら航空機に乗った瞬間から)地面に降り立つまで、私という人間はただひたすらに無力でした。
大自然を前にすると人間はなにもできないんだなと、変なことを考えていたのを覚えています。
でも、同時に、生きている感じもしました。
スカイダイビングにハマる人は、このようにしてハマっていくんでしょうね。
スカイダイビングで人生が変わるのか
よく言いますよね。
「スカイダイビングをしたら人生が変わった」と。
個人的な経験としては、それはあまりなかったというのが本音です。
確かに思いのほか楽しかったし、刺激的で、非日常を感じられる体験ではありました。でも、実際に飛んでみるまでは恐怖でいっぱいで、飛び降りたあとも「楽しい!」「飛んでる!?」ぐらいしか感想が出てこなくて。
浅い人間ですみません。
思い返してみても、人生観が変わったということはほとんどないですね。
だって、私はただ飛ばせてもらっただけですから。
まとめ:後悔したくないなら挑戦すべし
もし一度でも「人生で一度はスカイダイビングに挑戦してみたいな」と思ったのであれば、その熱が冷めないうちにチャレンジしてみることをおすすめします。
自分が体験して思ったのですが、大事なのは勢いです。
とりあえず申し込んでみようというところから始めるとよいかもしれませんね。