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【セルフ取材形式】海外と日本で違う教育システム!リアルな高校留学体験談【ニュージーランド版】

経験談

以前公開した「【セルフ取材形式】英語力ゼロでも留学はできる!10代で海外へ行こうと思ったわけ【元記者】」の続きとして、海外(ニュージーランド)と日本で違う高校生活についてお話していこうと思います。

またもや元記者の筆者(@MochaConnext)によるセルフ取材形式!

  • 海外の高校って自由なイメージ!
  • なんだかんだ、若いうちの留学だと英語力も自然と身に付いていくものでしょ?
  • 高校留学する人っていっぱいいるの?

よく聞かれがちな質問に、ひとつひとつお答えしていきます!

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 キャットファイトでカルチャーショック

高校の違い_カルチャーショック

海外の高校と聞くと自由なイメージですね!

ああ、アメリカンドラマの「ビバリーヒルズ青春白書」みたいな?(笑)

ほかの学校は知りませんが、少なくとも私が通っていた学校は自由ということはありませんでしたね。基本的に染髪は禁止でしたし、ピアスも片耳に1つずつ、しかもスタッドピアスのみというルールがありました。ピアスに関しては宗教上の理由で小さいころから開けている人もいるので。

ということは、制服も?

もちろん制服もありました。

男子は長ズボンか半ズボン、上はシャツとセーターで、女子は上は男子と同じで、下は長ズボンか半ズボン、スカートから選ぶことができました。ここらへんは日本に比べると選択肢が多かったかもしれませんね。

私はシャツとセーターに、半ズボンとサンダルというラフな格好をしていました。本当はサンダルのほかにローファーも選べたのですが、靴下を履くのが面倒くさくて(笑)。ローファーを履くのは朝会などで正装を求められたときぐらいでしたね。それか、先生に「真冬にサンダルなんて見てるこっちが寒々しいわ! お願いだからローファーにしてちょうだい!」と怒られたときとか。

意外と厳しいんですね…。

「海外の高校=ビバリーヒルズ」みたいに想像していると、少し厳しく感じられるかもしれませんね。あとは、途中から携帯電話の持ち込みも禁止になりました。

携帯電話を使ったイジメが多発するようになったとかで、そのときはある意味カルチャーショックを受けました。留学する前は、海外の人ってイジメをするにしても陰険なやりかたはしないイメージがあったので。

もちろんなかにはそんなイメージどおりの人もいて、たまに校内でキャットファイトが繰り広げられている様子を目撃することもありましたよ。周りがそれをはやし立てて、中心では女子同士が髪の毛を掴み合ったり頬を叩いたりしているんです。これは日本ではあまり見られない光景なのではないでしょうか。

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多岐にわたる科目選択

高校_ハニー

それでは、授業のほうはどうなんでしょう?

これはかなり日本との違いを感じた部分ですね。

私は入学時期との兼ね合いでYear12(高校2年生)から編入することになったのですが、英語力がまったくといっていいほどなかったこともあり、授業はYear11(高校1年生)から参加するというちょっと不思議な入りかたをしていて。「なら最初からYear11に入れてくれよ」と思ったことはさておき、日本でいう高校1年生からはほとんどの授業が選択制になります。

必修科目がなくなるということですか?

「完全になくなる」というと少々語弊があるかもしれませんが、Year11の時点では英語や数学などの必修科目+選択授業で、計5科目の単位を取得することになります。Year12からはほぼ自由。

ちなみに私はYear13の段階で、留学生向けの英語科目「ESOL(English for Speakers of Other Languages)」と「IT(Information Management)」、「メディア(Media Studies)」、「統計学(Statistics)」、「微積分学(Calculus)」を取っていましたね。

もちろんほかにも選択肢はたくさんありますが、単位取得を最優先で考えたすえの決断です。

ほかにはどんな科目があるのでしょう?

いろいろあります。たとえば「会計学(Accounting)」や「物理(Physics)」、「演劇(Drama)」、「家政学(Home Economics)」、「ホスピタリティ(Hospitality)」、「経済学(Economics)」、「地理(Geography)」など、挙げていけばキリがありません。

日本の高校ではなかなか見かけない科目も多いのではないでしょうか。

自由度がとても高いんですね!

日本の高校と比べると、どうしても自由度は高く見えると思います。でも、これにはデメリットというか、ちゃんとしておかないと、と思う点もひとつあって。

選択肢が多いのは単に「やりたくないことはやらなくていい」という教育方針からくるものではありません。

ニュージーランドの大学は3年制。要は、日本の基礎教養に当たる最初の一年分がないということになります。それをどこで学んでいるかというと、高校生のときなんですね。

つまり、大学で会計学を専門に学びたいと思えば、高校生のときにすでに会計学(Accounting)の基礎を身に付けている必要があるというわけです。

自由と責任は一体。

どの科目を履修するかは、大学で学びたい科目に大きく左右されます。そのため、科目選択の際は学校の進路相談や留学生担当の先生とよくよく話し合う必要があるんです。自由度は高い、でも高校生のうちから慎重に自分の将来を考えなければならないので、親もそれなりにナーバスになります。

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先ほど出てきた「ESOL」では、どんなことを学ぶのでしょうか?

「ESOL(English for Speakers of Other Languages)」(時に「ESL」とも)は、英語が流ちょうに話せない留学生のための英語クラスです。学校によるのかもしれませんが、私のときは日本人と韓国人が圧倒的に多く、次いで南米から来た子たちでしたね。

同じ学校にドイツ人やスウェーデン人、スイス人などヨーロッパから来た交換留学生もたくさんいましたが、彼らは英語がすでに流ちょうであること、目的が「異文化交流」であるということから、ESOLには参加していませんでした。

もちろんひとえに日本人、韓国人といっても年齢も学年も、英語のレベルも違います。全員を同じ教室で勉強させるのは難しいので、だいたいそれぞれの英語レベルに合わせて3~4クラスほどに分けられていました。

初級のクラスになるとイラストの多い簡単な本を読んだり、ちょっとした会話の練習をしてみたり、本当に基礎中の基礎という感じ。逆に一番上のクラスになると、英字新聞を読んで小論文を書いてみたりと難易度には幅があったように感じます。

「日本人」に興味がなくて当たり前!

高校留学_友達

入学後、学校に馴染むまでにかかった時間を教えてください。

これはかなり人によるところなので、難しいところですね。

「戦友」という仲間意識がある分、同じ日本人留学生と馴染むのにはそう時間はかかりませんでしたが、現地の人となるとなかなかすんなりはいかなかったような気がします。

と、言うのも、ニュージーランドは多国籍国家いろんな人種がいるのが当たり前で、「日本人だから」「留学生だから」と興味を持ってくれることはほとんどありませんでした。

「私、ここにいるよ!」と自ら発信していかないと、誰も気付いてくれないんです。英語にハンデがあることも、誰も気にかけてくれない。

多少厳しい環境ではありましたけど、精神的には強くなったと思います。

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学校で現地の友達を作るのは難しいと?

もちろん、全員に当てはまるわけではありません。

ただ、私が通っていた高校は少々気質が激しかったというか、人種差別的なものが生徒から教師まで横行していたというか。先に「いろんな人種がいて当たり前」と述べましたが、地域によっては共存していくのがなかなか難しいような場所があるのも事実です。

でも、そんな人ばかりではない。

捨てる神あれば拾う神あり、とでも言いましょうか。

なかには天使のように優しい人たちがいることも事実なので、怖がる必要はありません。人種差別は平和な日本にいたってふとした瞬間に起こり得ることで、特別なことでもなんでもないんです。

それでは、どのようにして友達作りに励んだのですか?

まず、Year11のときになにかしらの足掛かりを掴まなければならないと思い「日本語(Japanese)」のクラスを取りました。ここに関しても、日本人が日本語のクラスに参加するわけですから単位の取得は簡単ですよね。

けれど、大学受験のときにはYear11~13までの成績を通しで見られることがあるので、すでに大学で学びたい科目が決まっている場合はあまりオススメできる方法ではありません。

ただし、友達作りにはうってつけの環境です。

私の場合、もともとの性格が内気だったということもあって、普通に学校に通うだけでは友達作りなんて無理だと早々に判断したんです。仮に頑張って話しかけることができたとしても、女子の話題といったら万国共通で、たとえば昨日見たドラマの話だとか、好きな異性のタイプだとか、そんなことばかり。

英語力がない状態ではとてもではないけれどついていけません。

でも、日本語のクラスであれば、少なからず日本に興味がある人が集まってくるわけですよね。そこを狙いました。

はじめてでしたよ。「私と友達になってくれる?」と実際に声に出して言ったのは。今ではあの緊張も良い思い出です。

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自然に身に付く英語力などない

高校留学_英語力

英語が話せるようになったと実感できたのはいつごろですか?

正直、海外生活をはじめて10年弱(現在は日本)経った今でも、胸を張って「英語がペラペラ話せる」と言うのには少なからず抵抗があります。長く生活すればするほど、上には上がいるというのを実感してきたせいでしょう。

「高校留学をしていた」と打ち明けるとよく「10代で海外にいれば自分も今ごろ英語で困らなかっただろうに」というような反応が戻ってくることがあります。

でも、これは大きな間違い。

いくら若いとはいえ、ただ海外にいるだけで英語が話せるようになるわけはありません。現地で生き抜くために、必死に追いつくために、程度こそ違えどみんな努力を重ねているんです。

現に、大人になって再び海外に出てみると、10年、20年現地で生活していても、英語が苦手な人をたくさん見かけます。

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若いときのほうが吸収力が良いというのは事実かもしれません。とはいえ、海外にいるだけで英語ができるようになるというロジックで考えるのであれば、20年間現地で生活していた大人がたった3年間高校留学をしていた子どもに英語力で負けるはずはありませんよね。

少し話が逸れてしまいましたが、英語が完璧だとは今でも思っていません

ただ、日常会話がなんとなくわかるようになってきたのは渡航から3カ月ほど経ったころ。そして、ちんぷんかんぷんだった授業の内容が少しでも耳に残るようになってきたのが、半年ほどが経ったころでしょうか。

これを短いと見るか、長いと見るかはわかりません。

英語力を身に付けるためにどんな勉強を?

いろいろしました。

英字新聞はESOLの一環で欠かさず読むようにしていましたし、英語で日記を付けたり、ホストファミリーと積極的に会話してみたり、洋楽を聴いたり、洋画ばかりを観たり、あえて日本人を遠ざけてみたり。

もちろん学校の課題(Assignments)もこなしつつなので、大変なこともたくさんありました。でも、今となってはその時期があってこその“いま”ですね。

ちなみに日本人とあえて距離を置くという方法も、個人的にはあまりオススメできません。いざというとき、つらい気持ち、苦しい気持ち、悔しい気持ちをシェアできるのはなんだかんだいって、同じ日本人だったりするからです。

やはり経験者にしかわからないことってたくさんありますよね。

あえて距離を置くのではなく、日本人、韓国人、ドイツ人。人種関係なく仲良くできるのが一番です。

一番思い出に残っている科目は?

「メディア(Media Studies)」です。

映画分析をしたり、先生が元ジャーナリストだったので本番形式で取材の練習をしたり、ドキュメンタリー映画を製作したり。ほかに留学生がいなかったのも新鮮で、今思えばなんとなく選んだあの授業がきっかけで、マスコミやメディアといった分野に興味を持ったんだと思います。

なんとなく選んだとはどういうことでしょう?

この教科を取ることになるまでには紆余曲折ありました。まず、私たちの時間割は留学生担当の先生がコントロールすることになっていたんですが、留学3年目ともなると、さすがに普通のESOLだけでは満足できなくなってしまっていたんですよね。

その旨をESOLの先生に相談してみると、ほかの英語系の科目に挑戦してみたらどうかというアドバイスをもらって。選択肢はだいたい英語(日本でいう古典)やメディアぐらいのものだったので、より面白そうなメディアを選ぶことにしました。

でも、そこで反対したのが留学生担当の先生。「留学生、しかも英語が苦手な日本人には無理だ」と一蹴されてしまったんです。

俄然、心の中で火がつきました。

端から無理だと言われたのがどうにも悔しくて、現地の生徒の時間割を管理する事務員さんに直談判に行きました。もともと内気な自分としては、かなり勇気を振り絞った行動です。

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その事務員さんとは普段から仲良くしてもらっていたこともあり、事情を説明すると、ものの1、2分で時間割を変えてくれました。もちろん、後々これを知った先生にはものすごく怒られましたよ。

だからこそ、結果を残すしかない。

そう考えて、ほかのどの授業より真面目に取り組んだ結果、なんとか一定の成績を収めることに成功しました。先生に「自分が間違っていた、まさか本当に単位を取るなんて」と言ってもらえたときには、これ以上ないほどのスカッと感を味わいましたね。

留学はさほど珍しいことではない

高校留学_人数

高校レベルで留学する人はたくさんいるのでしょうか?

国によるかと思いますが、少なくともオーストラリアやニュージーランドではもう珍しいことではなくなってきているというのが事実です。

むしろ、なかには中学生なんかもいたりします。

ニュージーランドでは中高一貫校が多いので、学年関係なく、いろいろな話が聞けて楽しいですよ。出身地が違えば、歳もバラバラ。統一感がないからこその面白さがあります。

高校の選びかたって?

これもまた、難しいところですね。

就職や大学受験に強い学校を選ぶのもアリですし、日本人コーディネーターがいるところを選ぶのもアリ。もしくは、もっとわがままを言ってみるのもいいでしょう。たとえば「海の近くがいい!」とか、「日本人が少ないところがいい!」とか。

ちなみに冬に雪が見たい人は南島がオススメ。国内屈指の観光名所が点在しているだけでなく、寒くなるとあたり一面銀世界です。クイーンズタウンの近くにはスキー場もありますよ!

もっとも、学校や地域によって学費、生活費は異なるので、経済的な面も無視できるところではありません。

就職と一緒で、結局その学校の良し悪しは実際に入学してみないとわからないことだらけなんです。入ってからが勝負、といったところでしょうか。

――ありがとうございました。

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ニュージーランドをさらに知りたい人は

高校留学_知りたい

高校留学でニュージーランドを考えるなら、まずはその国や地域のことについて知っておくのがベスト。

当記事では高校留学の話で「大変だったこと」「つらかったこと」にだいぶ偏ってしまいましたが、もちろんそれ以上の魅力があるからこそ今こうして語ることができるんです。

ニュージーランド留学を考えているなら外せない書籍をいくつか紹介します!

わが子の目が輝く高校留学

大人になってからよく言われるのは、「娘さんをそんな若いうちからひとり海外に送り出すなんて、ご両親は立派ねえ」ということ。

そう、留学中に頑張っているのは自分だけではないんです。

心配な気持ちをグッと押し殺して、目が届かないところにいる子どもを応援してくれる親がいてくれるからこそ、安心して頑張ることができるのだということはわすれてはいけない事実。親も人間です。悩みもすれば、道に迷うこともあります。

遠方の地で頑張っている子どもの力になりたい、でもどうしたらいいかわからない、という人にぜひ読んでいただきたい一冊です。

地球の歩き方 ニュージーランド

せっかく海外に行くのですから、単に勉強するだけではもったいないと思いませんか?

もちろん勉強がメインであることは前提として、異文化交流をはじめ、ほかにも体験できることはたくさんあります。

高校生(未成年)だと行ける場所は限られてきますが、ちょっと遠出をして気分をリフレッシュしたり、日本にはない景色を見に行ったりするのも留学生活の醍醐味のひとつ。ニュージーランドの観光名所がギュッと詰まった「地球の歩き方 ニュージーランド」はまさに観光バイブルと言えるでしょう。

親ばなれ留学メール日記

近年よく見かけるのは「不登校からの留学」。「日本で学校に行けないのに、海外でなんてもっと無理では?」と厳しめの意見もありますが、必ずしも日本で駄目なら海外でも同じということにはなりません。

ただ単に、たまたま日本の空気感や風潮、社会が合わなかっただけという可能性があるからです。

「親ばなれ留学メール日記」では、登校拒否をしていた中学生が高校の2年間をニュージーランドで過ごし、親とメールのやり取りをしていくなかでどのように成長していったのかが描かれています。

体験談ということもあり、内容はかなりリアル。留学を希望している人や、今すでにニュージーランドにいる人、子どもを支えんとする両親にとっては必読の一冊です。

つらくも楽しい高校生活

結局、筆者にとって「ニュージーランドでの高校生活」は楽しかったのか、それともつらかったのか。個人的には、つらいことのほうが多く思い返されるというのが事実です。

でもそれは、つらいと思えるほど真面目に取り組めるなにかがあったから。

日本にいたら絶対に体験できなかったこと。日本にいたら絶対に出会えなかった人。日本にいたら絶対に勉強できなかったこと。

なにより、日本にいたら今の筆者はいないでしょう。

つらいことが多いからこそ、楽しさは倍に。悔しく感じられることが多いからこそ、達成感も倍に。多感な高校生の時期を海外で過ごせたことは、幸運以外のなにものでもないと感じています。

まだまだ伝えたいことはありますが、それはのちの機会に。

愛を込めて。

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