海外生活も9年目を突破した筆者(@MochaConnext)がはじめて海外渡航を経験したのは、高校生のときです(現在は日本滞在中)。
次いでカレッジ留学を経験し、その後日本での生活を経て、海外就労と紆余曲折はあったものの、気付けば人生の3分の1ほどの時間を海外で過ごすことになりました。
そのなかでも特につらかったのは、意外にも2度目の留学。訛りの違いで英語もわからなけりゃ友達もいない…そんな状況でのホームシック! まさに泣きっ面に蜂ですね。
ホームシックは自分自身との戦いにほかなりません。
程度に差はあれど、海外生活を送るようになると多くの人が直面する問題のひとつ。これをどう乗り切るかでその後が決まるといっても過言ではありません。
当記事では、波のあるホームシックを経験した筆者による克服方法を紹介します。あくまでも「個人の体験談」として参考程度にお読みくださいね!
なぜ2度目の留学でホームシックにかかったのか?
そもそも留学経験がすでにあった筆者がなぜ、2度目の留学でホームシックにかかったのでしょうか。それは海外の怖さや見知らぬ土地でゼロからはじめることの大変さを、一度目の留学で学んでしまったから。
一度目の留学(別の国)ではまだ10代だったということもあり、右も左もわからない状態での海外渡航でした。
あまりにもわからないことが多すぎると、環境についていくのに必死でほかのことを考える余裕がないんですね。
でも、一度経験してある程度の余裕が持てると、同時にいろいろなことを考える余裕も生まれます。たとえば英語のこと、これからのこと、友達のこと、成績のこと。そうして考える時間が多くなったことで、ズドンとホームシックの波に飲み込まれていったと思われます。
【体験談】ホームシックを乗り越えた8つの方法
いくら自分で望んだ海外生活とはいえ、嫌なことや苦しいことがあれば、「日本に帰りたい!」と思うのは当然のこと。それはなんら不思議なことではありません。
それでももう少し頑張りたい。でも頑張り方がわからない。
そう思ったとき、以下の方法を参考にしてみてくださいね!
ただし、万人に合うわけではないので、ほかにも自分で合う方法を見つける努力は必要です!
【1】SNSを見過ぎない
まず、筆者がしたのは「一度目と2度目の留学で違うと感じている部分」をリストアップすること。そうすると、だいたい以下の内容が思い浮かんできました。
- 一度目の留学で英語力には問題ないと驕っていた
- SNSが飛躍的に発達した
- 周りに日本人らしい日本人がいない
- 授業のレベルが格段に上がった
なかでも特に注目したのは、高校留学をしていたときとは違ってSNSが大きく発達していたことです。高校時代はあってもmixi程度のものだったので、日本にいる友達との情報交換や連絡は必要最低限のものでした。
というか、ほとんどは一度日本を出国したら次の一時帰国までは会えない状態。
対して、2度目の留学に挑んだ際にはfacebookやSkypeなど、日本にいてもほぼ無料でやり取りができるSNS(アプリ)があったため、どうしても時間があれば見てしまうんですね。
今思えば、これがホームシックに陥ってしまった要因のひとつでした。
facebookを開けば地元の友達が「いつもと変わらない日常」を送っている様子が目に入り、Skypeで直接ビデオ通話をしても日本の楽しい話を聞かされるばかり。さらに精神的に追い詰められた状態になっていると、つらい話をされたときでも「いいじゃん! 日本なんだから! 日本語通じるんだから!」と非常にもどかしくなります。こうして攻撃的になりはじめたら要注意です。
黄色信号、出ていませんか?
とはいえ、突然音信不通になるのはただ心配をかけるだけなのでやめましょうね!(経験者より)
【2】なるべく外に出かける
ホームシックであまりにも落ち込むとやってしまいがちなのが、とにかく家のなかに引きこもるということ。
これ、駄目、絶対!
でも、誰とも話したくないんだもん!
わかります。
なにも、陰鬱な気分のときに社交場に出て誰かとパーティーをするようにすすめているわけでもなければ、アクティブになれと言っているわけでもありません。
ただ外に出る。それだけでいいのです。
というのも、部屋のなかにいるとそもそもそれだけで考える時間が増えてしまいますし、そんなときにする考えごとといったら嫌なことばかりに決まっていますよね。この状況で、楽しい妄想などできるはずもありません。
大事なのは外に出て、太陽の光を浴びること。そして少しでもいいから、フレッシュな空気を吸い込むこと。人間が精神的に健康でいるためには、とても重要なことです。
一度外に出たら、「わざわざ靴も履いたことだし、ちょっと街に出かけてみようかな」と思うかもしれないし、バッタリ友達に出くわしてお茶でも飲みに行くことになるかもしれない。
ホームシックが終わるきっかけは、いつだって日常のなかに潜んでいるんですよ!
【3】開き直って半笑い
なかには「現地の言葉が理解できなくて」ホームシックにかかる人もいます。これは先述したSNSにも通じることで、誰が何を話しているかわからない状況に置かれると、母国語が恋しくなってもおかしくありませんよね。
そうすると、つい日本語で溢れ返ったSNSを見てしまう。そしてまたホームシックがひどくなる。
こんな負の連鎖を繰り返してしまう人も少なからずいます。この状態になるとなかなか抜け出すのが難しくなるので要注意です。
でも、考えてみてください。
日本人が外国に単身乗り込み、言語もわからないなか新しいことに挑戦しようとしているのです。
これってすごいことだと思いませんか?
なんかやたら早口でまくし立てる人だなあ、オッケーオッケー、なんかよくわからないけど楽しそうで良かった!
話しかけられても何を言われているか理解できなかった場合、こんなふうに開き直って半笑いを浮かべておくのもアリです。
もちろんキャッチできなかった単語を訊き返せたり会話を続けられたりするのがベストですが、深刻なホームシックにかかっているとそんな気力すら起きないもの。勉強に精を出す、現地のクラブ活動に参加する。そんなのはまずホームシックが軽度の場合、もしくは乗り越えてからの話です!
半笑い、意外と使えますよ(経験談)。
その代わり、何か訊かれたときはちゃんと真摯に向き合うようにしましょうね! 「ごめん、わからなかった!」と素直に伝えよう!
【4】孤独に慣れる
突然の厨二病発動!(笑)
ホームシックにかかる原因はさまざま。現地の言葉がわからない、友達(話し相手)がいない、いたとしても語学力の問題で思うように伝えられない、授業についていけない、など。
ちなみに筆者はすべてに当てはまっていたタイプです。
でも、一度目の留学で筆者は学んでいました。
日本で培った知識や文化、言葉がなにひとつ通じない外国では、話も通じなければ知り合いもいないゼロの状態からはじめなければいけない。つまり生活が安定するまでは孤独との戦いなのだ、と。
日本であればひとりで出かけるのも簡単なものでしょう。ただし、外国だとそうもいかない。自分で決断したにしろ、予想以上につらいと感じる人も多いのが現実です。
しかもたとえ友達が出来たところで、相手が留学生であれば多くの場合、いつかは別れが訪れる。現地人の友達だったとしても、自分が帰国してしまえば離れ離れです。
ならばこの際、何度となく訪れる孤独にまずは慣れてしまいましょう!(かなりの荒療治)
だからといって、友情をないがしろにしろと言っているわけではありません。むしろ、現地で出来た友達はかけがえのない宝物。facebookやLINE、SkypeなどあらゆるSNSが発展を遂げている現在、一生連絡を取り続けることも不可能ではありません。
世界中に友達がいるって、とても素敵なことだと思いませんか?
【5】ひたすら耐え忍ぶ
「ここに来てそれ!?」と言われてしまいそうですが、経験上、ホームシックというのは終わるのを待つしかないというところがあります。
ひたすら忍耐、忍耐、忍耐、忍耐で目安は3カ月。
なぜかって?
人間の適応力とはすごいもので、どんな環境でもいずれ順応していくものだからです(先日記事にしたブラック企業などの話とは別物ですよ!)。
ブラック企業勤めで精神が崩壊するまで我慢する忍耐力とは、根本的に違うこと。それはホームシックを超えた先にはちゃんと未来があるということです。
ホームシックにかかっているときはどうしようもなくつらくて、一刻も早く帰国したいと考えているのかもしれませんね。でも、もうちょっとだけ頑張れたなら。一日、また一日経った。そんなふうに一日ずつ確実に過ごしていけたなら。
3カ月後、4カ月後には見違えたように強くなっているはずです。
これ、実は体験談。
重度のホームシックにかかった当初、留学経験のある恩師に相談したところ戻ってきたのはたったこれだけ。
「3カ月でいいから我慢してそこにいてみなって。まあ、頑張ってよ~。応援してるから~」
逆に煽ってくるスタイル!(爆)
当時はなんて冷たい人なんだろうと考えたものでしたが、堂々と日本を出てきた手前、ホームシックで帰国という選択肢はなく。結果的に最初の3カ月を泣きながら過ごすことになったわけですが、驚くことに、その期間が過ぎるころにはホームシックなどきれいさっぱりなくなっていたんです。
ホームシックの閉塞感や鬱蒼とした気持ちがなくなるのは、本当に突然。
ある朝目覚めたら、前日までの憂鬱感がうそのようにケロリと晴れやかになっているかもしれませんよ! 大丈夫。乗り越えられます。
ただし!
本当に大変なのはここからだから、覚悟してね!
【6】しあわせレベルを下げる
次に、幸福感の基準を限界まで引き下げるという方法もかなり有効的です。
たとえば筆者の場合、高校時代にも留学しているから2度目の海外生活なんて余裕だろうという驕りがありました。ところが現実では、国や地域が違えば訛りもスラングも違い、オリエンテーションからなにを言われているかさっぱり状態。
挙句の果てには必修授業の登録方法もわからず、初日は大泣きしながら家路に着いたものです。(しかもオリエンテーションの時間まで間違えていた。こっそり)
それがダイレクトにホームシックへとつながったわけですが、ひとしきり泣いたあとに考えたのは、自分はもしかしたら完璧主義の傾向があるのではないかということ。
当時の筆者の心構えはこうです。
- 相手の会話が100パーセント理解できないと、英語ができているとは言えない
- 教授に一点でも指摘されると、こんな自分は留学していても意味はないと思い込む
- 知らない単語が見つかると焦燥感に駆られて眠れなくなる
- 学校でも家でもひたすら勉強(英語+授業の予習)
- 中途半端な結果は残せない
- ネイティブと対等、またはそれ以上に渡り合える必要がある
どうでしょうか?
自分のなかで勝手に出来上がったこの条件すべてを、あくまでも“外国人”である筆者がクリアできると思いますか? ハッキリ言って、無謀ですよね。
だからなにをしていても、達成感もなければ満足感もないし、自己肯定感がただただ下がるだけ。これでは余計ホームシックを重症化させてしまいかねません。
では、どうしたら良かったのか。
こう変えてみてはどうでしょう?
- 私、海外で生活してる! すごい! 偉い! 神!
以上。
これだけなら、もう海外にいるというだけで達成していますから自分自身を褒めたくなることはあっても自己肯定感を必要以上に下げてしまうことはないでしょう。
これが「しあわせレベルを引き下げる」ということです。
ただし、これはあくまでもホームシックを乗り切るまでの話。留学生の場合、試験などはかなりシビア。残念ながら、そう楽観視ばかりしていられないのが現実です。
ホームシックさえ乗り越えられたら自然と向上心も戻ってきてくれるはずですので、あとはひたすら勉強に打ち込みましょう。
【7】クラブ活動に参加してみる
自身でホームシックがまだ軽いと感じている場合は、あえてクラブ活動に参加してみるのもいいでしょう。筆者の場合は、「Kaiwa Club」という日本語を勉強するネイティブたちが集まった新設のクラブの第一期生として参加することになりました。
学校にもよりますが、こういった情報は構内の掲示板や、大きな大学だと大学発行の新聞に一部記載されている場合があります。
これは留学生に限った話ではなく、外部からの参加が可能なクラブもあるので、ワーキングホリデーや就労、語学留学などをしている人にもぴったりの活動です。
【8】ランゲージエクスチェンジのパートナーを見つける
留学やワーキングホリデー、就労など、就業形態問わず、現地に知り合いを見つけるのに有効的な手段といえば「ランゲージエクスチェンジ(言語交換)の相手を見つける」こと。
ランゲージエクスチェンジとは、互いに互いの言語を教え合うというなんともすぐれたシステムのことです。
大学の掲示板はもちろん、インターネットで募集している場合も多く、日本人は不慣れなあまり最初のうちはなかなか手を出しづらいかもしれませんが、海外ではごく一般的に行われている言語学習法のひとつです。
海外で暮らす人のなかには割り切りタイプの人もいるので、ランゲージエクスチェンジの相手(つまり先生)という立場で終わってしまうこともありますが、そこから友達の輪が広がっていくことも少なくありません。
友達がいないから不安。知り合いがいる日本に帰りたい。
このタイプのホームシックに悩まされている人にはおすすめです。
ただし、なかには変な人がいるのも事実なので、仲良くなるまでは安易にクラブやその人の家など他人の目が届かない場所にはついていかないようにしましょう。初回ミーティングにおすすめなのは日中のカフェです。
大事なのは原因を突き止めること!
ホームシックの原因は実に多岐にわたります。
- 友達がいなくて寂しい(強い孤独感)
- 現地の言葉が理解できなくてつらい
- 今後に対する漠然とした不安
- 日本と密に連絡を取りすぎている
- 完璧を目指すあまり自己肯定感がだだ下がり
- 話せる相手はいても、悩みを打ち明けられるまでの相手がいない
- 授業についていけない
- 日本では感じたことのない人種差別に遭った
- 家でも外でもひとりきり
- 友達が出来ても、会話が速すぎて入っていけない(意見が言えない)
4番目以外はすべて筆者が体験したもの。それだけでこの量ですので、突き詰めていけばもっとあるでしょう。
ホームシックを乗り越えるためにはまずその喪失感や虚無感、陰鬱とした気持ちがなにを理由に湧き上がってくるかを突き止められるのがベスト。原因がわかれば、対処法もなんとなく見つかるからです。
そんな余裕もないという人は、ひとつひとつ、しらみつぶしに考え付くことをやっていきましょう! 当記事はあくまでも筆者個人の体験によるものですが、これを実践していってもらってもかまいません。むしろ大歓迎。
大丈夫。乗り越えられます。
ホームシックにかかりそうだと思ったら!最高の友を作れベスト3【おすすめグッズ】
「あれ、最近ちょっと胸がモヤモヤする…」「これから留学する予定だけど、絶対ホームシックで泣くことになる…」そんな漠然とした不安を抱えているあなた!
可愛い子には旅をさせよ。旅にお供は必須ですよね!
ホームシック一歩手前で踏みとどまっている、あるいはこれから自分がそうなるかもしれないと思うと不安でたまらないという人は、海外生活における最高の友を用意しておきましょう。
冗談じゃないですよ! これ、マジです(笑)。
【1】ツムツムのぬいぐるみ(ドナルド)Sサイズ
最初に入居する部屋って、ホームステイ、寮、ひとり暮らしと滞在スタイルにかかわらず、良くも悪くも殺風景なことが多いんですよね。
ベッドと机、収納スペースしかないなんてこともあり、そんなときにホームシックにかかってしまうと陰鬱な気分に拍車がかかってしまいます。
おすすめは、かさばらない程度のぬいぐるみを日本から持っていくこと。ぬいぐるみやクッションタイプの布(あるいはフェルトなど)でできたものならスーツケースのなかで押し潰されてもある程度は大丈夫ですし、なんといっても軽い!
ベッドの上にちょこんとぬいぐるみが乗っているだけで、ふとした瞬間に肩から力が抜けたり、なんだか楽になれる瞬間があったりします。騙されたと思ってやってみて!
ちなみにこのドナルドはこいのぼり仕様(こいのぼり部分は取り外し可能)。ホームステイなら、ホストファミリーとの会話のネタにはもってこい!
【2】セクシー大根
ちょっとかさばっても会話のネタになるなら無問題! という人は、「セクシー大根」で決まり!
座らせ方によってはとにかくセクシー。うまい具合にベッドやソファに座らせると、なんだか話を聞いてアドバイスまでくれそうな貫禄さえうかがえます。
ホームシックになってもそこにいてくれるだけでちょっぴり笑顔になれる、良き相棒となってくれることでしょう。
【3】うたた寝用まくら
もちろん、ネタの提供ばかりではありません。
新しい環境で常に強いられる「緊張感」や「不安感」、「疲れ」などがホームシックの原因になっている可能性も十二分にありますよね。そんなときは、少し強引にでも肩の力を抜く時間を作ってリラックスすること。
そんなときにおすすめなのがこの「うたた寝まくら」です。
嫌なことを忘れようと思ってとにかく寝る、という方法もありますが、日中に寝てしまうと夜に眠れなくなったりするため、生活リズムの崩れを引き起こすことも考えられます。そうすると次第に自律神経が乱れ、ゆくゆくは体中がパニックな状態に。
昼にちょっとした疲れを取りたい、あるいは目を閉じて休息したいという場合には、20分程度が最適です。うたた寝まくらなら、熟睡はせず、けれどもゆったりとしたまどろみを楽しませてくれそうですね!
自分なりにいろいろ試してみるのが一番
ホームシックをはじめ、ストレスになり得る感情の発散方法は人それぞれ。身体を動かしたほうがいい人もいれば、静かにひとり読書でもしているほうが落ち着くという人もいるでしょう。
ただ、ホームシックがつらいというのはみんな一緒。
ホームシックにかかったことがない人には、それがどれほどのものかわからないかもしれません。勇気を振り絞って相談してみても、軽くあしらわれてしまうかもしれません。
そういうものなんです。
自分自身のホームシックがどれほどのものかは、自分で判断するしかない。
他人から見て大したことがないように見えても、限界ギリギリのところで踏ん張っている人もいるでしょう。人前では気丈に振る舞っていても、家でひとり泣いているかもしれない。どうしたらいいかわからず、家の中に引きこもってしまう人もいると思います。
そこを乗り越えた先になにがあるかは、すべて自分次第なんです。でも間違いなく言えるのは、ホームシックに打ち勝った人は前より格段に強くなれるということ。
上記で紹介した方法含め、自分なりにホームシックを乗り越える方法を模索してみてはいかがでしょうか? いざそんな時期も終わってみると、「なんであんなことで悩んでたんだろう?」「ある意味貴重な経験だったかも」「なんでもひとりでできそうな気がする!(全能感)」というふうに、良い思い出にすらなっているかもしれませんよ!